ムケ総長
今回は、男性が育休を取得すべき5つの理由について解説します。
こういった悩みを持つ男性のための記事です。
結論から言うと、「男性が育休を取得するべき理由」は次の5つです。
- 理由①:女性が心身に受けるダメージは甚大だから
- 理由②:家事の全体像を掴むチャンスだから
- 理由③:支出の見直しの良い機会になるから
- 理由④:絶好の自己投資のチャンスだから
- 理由⑤:価値観を変えていくのは子育て世代だから
この記事では、
- 専業主夫歴3年
- 子育て歴2年
- 簿記1級
の僕が、
ムケ総長
と考える理由を、家計管理の観点も交えながら5つに絞って解説します。
この記事を読んで勉強すれば、自分が育休を取得する意義が明確になり、申請のハードルもぐっと下がりますよ。
皆さんも育休を取得し、家族の助けになることでより絆を強めていきましょう!
目次
育休の基礎知識
まず、育休についての基本的な知識を整理します。
どんな制度に関しても、その効果を最大限活用するためには正しい知識を身に着けることが必要です。
そもそも「育休」というワードはよく耳にしますが、これはどういう意味でしょうか?
実はこれ、「育児休暇」と「育児休業」が混同された言葉なんです。
育児休暇=労働者が育児のためにもらえる「お休み」そのもののこと(制度のことではない)
育児休業=法律に基づいて取得できる休業制度のこと(お金の給付制度がある)
今回は制度についてのお話なので、以下では「育休=育児休業制度」だと定義します。
では、育休制度の補償内容を確認してみましょう。
- 期間:男性の場合、出産予定日から1年間(最長2年間まで延長可)
- 金額:実質手取りが8割強になる「育児休業給付金」が支給(6か月以降は7割前後)
女性は、育児休業とは別制度の「産前・産後休業」から引き続き休業に入ります。
育児休業は基本的に子が1歳になるまで取得可能で、半年ごとの延長申請により、条件を満たせば最長で子が2歳になるまで延長できます。
男性は、出産予定日から取得可能で、女性と同様基本的に1年間、最長で2年間です。
また、「パパママ育休プラス」「パパ休暇」といった追加育休制度もあるので、産後の女性の体調や状況に合わせて柔軟に休業できます。
国を挙げて男性の育児参加を後押しする制度を考案してくれていますね。

給付金の金額についても気になるところですよね。
育休期間中は、会社からの給料は0になりますが、代わりに雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。
その金額は以下の通りです。
育休取得から6か月間:給与収入の67%
それ以降 :給与収入の50%
厳密には、給与収入の算出方法や給付の上限額が定められており、その決まりに基づいて支給されます。
上限額について、給与収入の月額が456,300円を超えている人は、一律305,721円(支給率67%)となります。
またこの給付金は非課税であるため、所得税や住民税はかかりません。
さらに育休期間中は社会保険料を免除する制度もあるため、生後半年までの実質手取り額は育休取得前の8~9割もあります。
生後半年以降も、7割前後を確保できます。
詳しい内訳が知りたい方のために記事を執筆中ですが、イメージ図は以下の通りです。

育休時の手取り額シミュレーションも可能ですので、活用してみてください。
以上をまとめると、育休は「子供が生後半年になるまで手取りの8割程を受け取りながら仕事を休む期間」であり、その後も女性の体調に合わせて延長可能だということになります。
ここで一点注意があります。
育休は、男性が休むためのものではありません。女性の体と心を休める期間です。
男性は、この期間中にやるべきことが無限にあるので、休む暇はあまりないかもしれません。
その代わり、育休を有効に使えた男性は家庭内でも家庭外でも自身の価値を飛躍的に高められます。
これこそが、男性が育休を取得するべき理由になります。
では、以下で解説していきます。
男性が育休を取得するべき5つの理由
妊娠出産は、女性の心身に計り知れないダメージを与えます。
体へのダメージは、よく交通事故に例えられます。
本来何か月も入院すべき状態にもかかわらず、入院費をかけないために退院して家に帰るのです。
そう考えると男性のすべきことは、入院患者に対するサポートと同様のものになります。
女性が休息をとるのに専念できるように、全力で看病しましょう。女性を動かすなんてもっての外ですよ。
といっても、産まれたばかりの我が子が気になり、世話をしたくなる女性もいることでしょう。
もちろんその気持ちを止めることはしませんが、男性陣は必ず女性が無理をしていないか注意して見守り、サポートしましょう。
また近年注目されている「産後うつ」のリスクも、軽視できません。
産後数週間から数年はホルモンバランスの乱れが著しく、情緒が常に不安定になります。
つらい、悲しい、イライラする、いろんな感情に女性自身が内側から振り回されるのです。
この時期に女性に無理をさせると、取り返しのつかないことになりかねません。
女性の話を聞き、何に不安を感じ何にイライラしやすいのか理解する努力を続けて下さい。
しんどいのはわかります。理不尽なことを言われ、男性側もイライラしてしまうことがあると思います。
ですが、女性は自分の何倍もしんどいんだということを、言い聞かせて乗り切りましょう。
女性とともにしんどい思いをしてくれた男性と見捨てた男性、将来の信用には天地ほどの差が生まれます。
人生100年時代。産後のこの期間も100年に比べれば短いものですよ。
心身の回復を遅らせる原因の一つに、睡眠不足があります。
母乳で育てる場合、産後数か月は女性が夜中も2~3時間おきに起きて授乳~寝かしつけをしなければなりません。
これ、産後の体でやるのは男性には想像しようのないエグさがあるんです。
僕たちには女性の体験記を読み聞きするしかないんですが、もうほんと頭が上がらないです。
一方我が家のようにミルクに切り替えれば、ド健康な男がやれば済む話です。
女性にはずっと寝ていてもらえるので、回復の観点からはかなりおすすめです。
もちろん母乳をあげないことに葛藤のある女性も少なくないので、夫婦で普段から話し合いましょうね。
そして夜中の授乳を母乳にする場合、男性には一緒に起きていてほしいのか、寝ていてほしいのかも女性によって違います。
どちらが奥さんのサポートになるのか、これについても夫婦間のコミュニケーションが大切ですね。
もし普段家事に参加できていなければ、育休期間は大きなチャンスです。
僕は家事してるよ!という方も、女性からの評価は別物であることが多いですので過信は禁物です。
家事には流れと全体図があり、その一部分を切り取っても実は効果が薄いです。
育休期間に全ての家事を数週間自分でこなすことで、それらが見えてきます。
また自発的に家事を行えば、効率化すべき点や不要な家事が見つかります。
夫婦で話し合って時短家電の導入、同線の見直しや断捨離を検討しましょう。子供に合わせた家具の配置も必要になりますしね。
時短家電の導入は設備投資です。生産性が向上すれば最終的に十分元が取れます。
我が家でも
- ドラム式洗濯乾燥機
- 食洗機
- ロボット掃除機
の3種の神器を導入しています。
専業主夫なのに、です。
浮いた時間で自分の価値を高め、最終的に投資額を回収できればいいのです。
単純に子供と一緒に遊ぶ時間が増えるだけでもかけがえのない価値があります。
子供の今は一瞬ですからね。
新生児のお世話も加わりとても大変だと思いますが、給付金をもらえながら家事育児に専念できるのはとてもありがたいことです。
家族の中での信頼や地位を得るためにも、毎日の家事と戦いましょう。
詳しくは「男性が家事をするべき理由」や「男性が料理をするべき理由と注意点」という記事でも解説しているので、ぜひ参考にして下さい。


上で述べた通り、給付金による手取りは育休取得前の8割程度受け取れます。
8割もありますが、8割しかありません。支出の額によっては赤字となってしまいます。
そこで支出の見直しをする良い機会だと捉えて、大きな固定費の削減を敢行しましょう。
各種契約の見直しや変更は、確かにめんどくさいので後回しにしがちです。
育休前は時間がなく敬遠していたこれらのタスクも、収入が減るとなれば気持ちが向くのではないでしょうか。
さらにこの期間に削減できた固定費は、育休から復帰した後もそのままなんです!(当然)
毎月の余裕が増えるので、投資、貯蓄、お小遣いと有意義に使えますね。
さて、家計管理には簿記の知識がとても役立ちます。
といっても、

家計簿のために簿記の勉強をするのはハードルが高いよ…!
ってなりますよね。
そんな方のために、『簿記5級』という記事を書いています。
家計管理のための必要最低限の簿記知識だけを学べるので、とてもエコです。
ぜひこちらも参考にしてみて下さいね。

働きながら自己投資の時間をとったり副業をするのは、軌道に乗るまではかなりきついと思います。
と思ったことがある人も多いと思います。
育休期間は、そのまとまった時間をとる絶好のチャンスです!
女性が体調を回復するまでの間、家事育児に一日の大半の時間を費やしますが、それでも自由な時間はちゃんと残ります。
女性が動けるようになるにつれて、また家事育児に慣れるにつれてこの時間も増えていきます。
この時間を生かすも殺すもあなた次第です。
家事育児をしてくれる、さらに収入を増やすための努力もしてくれる。
女性にとって無敵のパートナーになれますよ。
ただし、家事育児が疎かになるのだけはダメです。絶対ダメです。
女性を休ませること、子供の世話をすることが育休の意義ですので、見失わないでくださいね。
ありますよね、こういう意見。僕の前の会社もそうでした。
当時僕が人事に聞いたところ、正確には「育休を取った人より、取らずに会社で仕事してくれた人の方を評価せざるを得ない」というものでした。
これに対する僕の答えは、「出世できないなら副業で稼ごう」です。

令和2年度の男性の育休取得率は12.65%です。前年度7.48%から急増傾向にあります。
ですが女性の81.6%にはまだまだ及びません。
終身雇用が崩壊した現代において、会社はいざとなったらあなたを助けてはくれません。
一方、産後の女性や家族を助けられるのはあなただけです。
何をすべきかは割りと明白な気がします。
もちろん両親の助けを借りられたり、女性が必要ないと断るパターンなら育休取得は不要ですが。
男の育休に対する価値観が完全に変わるのを待っていては時間だけが過ぎていきます。
何が大事なのかを明確にして、周囲を気にせず自分から行動しましょう。
そういった僕たち子育て世代一人ひとりの行動が、結果的に価値観を変えていくのです。
まとめ
以上のように、男性が育休を取得するべき5つの理由を解説しました。
改めて、育休は男性が休む期間ではないです。
「旦那が育休取ってきたけど何もせんから旦那の世話っていうタスクが増えただけ」というSNSの投稿とか、本当に情けないことです。
「手取りの8割しかもらえない」と思うのか、
「家事育児で家族を守り、副業で収入の柱を増やし、支出を見直せるのに手取りが8割も保障されている」と思うのか。
読者の皆さんはどうですか?
育休、活かしていきましょうね。
ではまた!

